異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2005-02-13

白熱した(?)ドラフトの結果、狩りの組はこんな風になった。

どうも、戦力バランスをある程度考えて調整してるような気がする。

なお、ゼーレーヴェーは3人で一人扱いだそうな。んで、森のあちこちに獣除けや人除けの呪術を仕掛けてあるんだそうだが、それは妖精の目でないと見分けにくいんだそうだ。それもあって、リャナン・シーさん、リュシー・フェイ嬢、ゼー達は別の組って事になった。


組み分けをしたあと、スカアハがさらりと提案する。

「3日の狩りで獲物を競い、最下位の組は何かしてもらうのは如何か。」

「面白い。その勝負受けて立とう。」

オーディンが機嫌良く提案に乗る。

「ふむ。負けた組は何か芸をしてもらうことにしてはどうかな。」

ヌァザさんも酒杯を呷りながら応える。

「なるほど、これは負けられませんな。」

マッコール爺さんが言うと、ホーサもコクコクと肯いている。


さて、明日から一緒に廻るオレの組だが。

ヌァザさんは正直、ぱっと見そんなに勇壮という感じでもない。どっしりと構えて悠然としているから、なんて言うか頼りがいがあるのは確かだが。ただ、今日の昼にスカアハと立ち回りを演じたときは、熟達した戦士の動きを見せていた……と思う。やっぱり神族の王ともなると、ただ者ではないと言うことか。狩りの腕も恐らく期待していいだろうな。

ヌァザさんと並んで期待できるのはフィオナか。ついこないだも、この女騎士の腕っ節は見せてもらった。正直、女にしては確かに長身ではあるが、オレよりも一回り以上小さい彼女が、どうしてあれだけの戦いっぷりを見せつけられるのか、ちょっと不思議ではある。狩りの腕前がどうかは知らないが、とりあえず荒事であれば頼りにはなるだろう。

もう一人のケルベロスだが、こちらはあんまり勘定に入れない方がいいだろう。すばしっこいから自分の身を守るくらいならワケもないだろうけど、まだ子供ではあるし、猪だの熊だのと戦わせるわけにもいかないだろう。犬チックだから、もしかして獲物を追いかけたりするのには役立つかもしれないが。

そして、リャナン・シーさんは完全に道案内役だと思った方がいいだろう。あの細腕でそんな荒事ができるとも思えない。

となるとオレの役目は、ヌァザさんとフィオナの邪魔にならないようにケルベロスのお守りをしたり、リャナン・シーさんの手下になって雑用とか、って感じだろうか。

と、同じ組の面子を見回していたら、ヌァザさんがニッコリ笑ってこういった。

セタンタ君も、せっかく練習したんだ。猪の一頭や二頭仕留めないとな。」

「あ、ははは。そ、そうですねぇ……。」

できれば、あんまりやりたくないんですが。


夜も更けて宴もたけなわになる頃。大人達は興に乗って酒を酌み交わしているが、子供組は目蓋が落ち始めている。ってか、あぐらをかいたオレの膝にはワンコが丸まって既に寝てたりするワケだが。

「どれ、天幕まで運んでやるか。」

そういってオーディンは、寝入りかけていたシグルーンを抱きかかえる。

「ん……ちちうえ?」

「おう。父が運んで進ぜるぞ。……では、先に休ませてもらうよ。」

胸元に娘を抱きかかえて軽く会釈する隻眼の男は、嬉しげな父親の顔をしている。

「どれ、ケルベロス。お前も寝床へ連れてってやらねばな。」

「うにゅ……」

トート爺さんが声をかけると、むにゃむにゃ言ってるだけで寝息を立てている。

「ああ、俺が連れて行きますよ。」

「ふむ、すまんな。」

「なんだか懐いてくれてるんで。」

つい苦笑してしまう。弟を持つ気分とか、息子を持つ気分っていうのはこんな感じなのかもしれない。

ぐんにゃりしたケルベロスを気を付けて抱きかかえ立ち上がると、ふと、こっちを見ているホーサと目があった。

「ん?どした?」

「……なんでもない。」

なんか羨ましそうな顔してたな。そういえば、しっかりしているから大人扱いしてしまうけど、ホーサもまだ中学生ぐらいの歳なんだよな。まだ、親に甘えたい年頃だ。

ホーサも抱っこしてやろうか?」

開いた左手を広げてオレがそう聞くと、顔を真っ赤にしてブンブン首を横に振って拒否された。遠慮しなくてもいいのになぁ。