異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2006-05-06

次に指名されたのはベレヌス

ベレヌスとはけっこう気が合いそうだし、なかなか良いヤツだと思うけど、イマイチ性格というかキャラクターが掴みきれてないんで、作文の中身は注目しておきたいところだ。

ベレヌスは悠然と立ち上がって、良く通る声で文章を読み上げ始めた。

私はダグザの孫であり、オェングスの息子です。

いま、ダヌの神を統べているのはヌァザ様ですが、私の祖父であるダグザもまた、以前は神族の王でした。ですから、ヌァザ様やその後に続く王を補佐することは、私たち若い渡り神の義務です。

私は神族の名代として、戦に赴いたり君主として領地を治める事を求められることでしょう。ですから、将として足りるだけの武芸を修め統率の術を学ばなくてはなりません。

また、父や祖父の名代として他の神族と同席したり他国へ赴く事となるでしょう。ですから、正使としてその名を辱めることの無いよう修辞や教養を身につけなくてはなりません。

非常に多くのことを学ぶ必要がありますが、たゆまず努力したいと思います。

さて、これらを是非教えていただくと同時に、私にはスカアハ様に是非学びたいことがあります。

スカアハ様は弓琴や鍵盤琴の名手であると聞いております。

私は、いつか楽士として、詩人として名をなしたいと願っておりますので、是非にも奏楽の手ほどきをお願いしたい次第です。

へぇー。将軍と政治家になれって期待されてるわけだな。

なんつーか、神様っていうより貴族の御曹司とか王子様とかの要求事項みたいだな。

ベレヌスは、ダヌ神族の直系の子孫では最も期待をかけられていると聞いている。その期待に応えることは大変であろうが、妾の及ぶ限り扶育することとしよう。」

「改めて、お願い申し上げます。」

スカアハに優雅に礼をするベレヌス。正直、挙措だけでも十分貴公子として通るから、外交官としてなら今すぐ役に立ちそうな気もするけどね。実務をするヤツが別に付けば、だけど。

「さて、余事であるが。弓琴は"ヴァイオリン"、鍵盤琴は"ピアノ"というのが正しい名前だ。奏楽については全員に教えることはせぬが、希望の者がおれば手ほどきくらいはできよう。」

あれ。この世界ってヴァイオリンとピアノがあるんだね。出来れば習いたいかもしれない。ま、余裕があったらだけど。


次に、シグルーンが指名された。

こっちも、ツンケンしてキツそうな小娘って印象があると同時に、オーディンのおっさんの前では素直なお嬢さんだった印象もあって、今ひとつ性格が把握できていなかったりする。

この作文でどんなことを書いてるのかで、ある程度判るかもしれない。

皆の注目にも動じずに立ち上がったシグルーンは、肩に掛かった長い金髪を払うと、高く澄んだ声で発表を始めた。

神々の王オーディンの娘として、わたくしには為さなければならないことがある。

一つは、父とアサ神族の名誉を守るために槍を振るう戦乙女となること。

一つは、父に仕えるにふさわしい戦士を我が夫として迎えること。

一つは、父の血を引く血族を増やし、導き、栄えさせること。

そして、いずれは姉たちのように王国を築き、わたくしとわたくしに連なるもの達の名を歴史の中に残さねばならない。

……えー。

王国作るってのもすごい夢だね、また。ゆくゆくは女王様ですか。

まぁ、「神々の王の娘」だから、ある意味既に王女様だったりはするわけだけど。