異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2006-06-03

朝食後、弟子一同総出で中庭に並ぶ。本日は鍛錬の初日である。

とは言っても、オレはまだ一応ケガ人で重態のハズなので、大事を取って本日は見学である。いや、そもそもベッドから起きあがれないはずの人間が、足を引きずりながらでもウロウロしていること自体異常も異常なんだが、今更誰も気にしていないワケで。

セタンタ、そなたも加わるか。」

「うーん、まだちょっと痛みがあるからやめとく。2~3日すれば大丈夫だと思うけど。」

という会話が、異常事態に対する慣れを如実に表している気がする。我ながら回復早すぎ。


ともあれ。見学者約一名が見守る中、鍛錬のオリエンテーションが始められた。

「まず、そなたらの鍛錬を手伝う者を紹介する。」

そう言ってスカアハが手招きしたのは、老人とマッチョ鳥フィン・マッコール氏とアルケイア嬢である。

フィン・マッコールは、主に武器の取り扱いを教える。」

姉御に指し示されると、軽く会釈するマッコール爺さん。ちなみに、爺さんの格好は軽装ではあるが凛とした武者姿である。金属鎧でこそ無いが鋲を打った革鎧に身を包み、手には槍、腰には剣を佩いている。さらに背後には、大槍や棍棒やメイスやその他諸々といった様々な武器が並べてある。

影の島に限らず、アローンの国々で重視されている武術は、言うまでもないが槍と剣である。しかし、騎乗槍やメイス、あるいは矛やハルベルドなどの武器も使われており、習熟しておいて損はないであろう。武技は槍と剣を主体に教えるが、それ以外の武器も一渡り扱い方を覚えて貰う。出来うるならば、槍と剣の他に何か一つ得手となる得物を身につけると良かろう。」

「槍と剣は妾がそなたらに稽古を付けるが、フィン・マッコールはさらに手広く武器の扱いを身に修めて居る。そなたらの教授役となるゆえ、師の一人であると考えて貰いたい。敬意を持って接するように。」

「なに、固くなる必要はありません。私はスカアハ様の家宰に過ぎませんからな。とは言え、武技の稽古においては、私は一切手を抜くつもりはありません。何より、真面目にやりませんとケガをすることもございますので、皆様そのつもりで取り組んでいただきたい。」

にこやかに言うマッコール爺さんだが、眼光は揺るぎない。老いたりとは言え、影の島随一の戦士と呼ばれた人らしいからな、一応。

せっかくだから、いろんな武器を学ばせて貰おうじゃないか。個人的には端っこに目立たないように置いてあるクサリガマとかバグナグとかが大変気になります。

次に紹介されたのはアルケイア嬢。

フリアイアルケイアは、弓矢や投石器、投槍器、弩、投剣など、射撃投擲武器の使い方を指南することになろう。」

アルケイアだ。よろしく。」

ある意味尊貴な身分の弟子達を相手に態度Lのアルケイア姉さん。ふくよかな胸を誇らしげに張って挨拶した。

「オレは空を飛べるから、当然、飛び道具の扱いも一通りお手の物ってワケだ。ヌビアの短弓からアルビオンの長弓、ペリシティアの投槍器からエディアの戦輪まで、一通りのことは教えてやる。」

と、実に偉そうである。

「姐さん質問です!」

と、手を挙げてみる。アルケイアの後ろにあるあるモノが気になってしょうがなかったので。