異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2006-10-07

服を着替えたケルベロスが戻ってくるのを待って、弟子連中に声をかける。

「カードゲームで一丁みんなの親交を深めようと思うんだが、どうだね諸君。」

一番反応が良かったのは、意外なことにギリアムさんである。

「是非私も加えてください。」

ニコニコして言ったは良いが、袖をまくり始めたその様子を見ると、どうもかなり得意なご様子。

「……その、いっときますが、賭けませんよ?」

「ああ、もちろん分かってるよ。」

ニコニコといつもの人の良さそうな笑みを浮かべているが、さっさとテーブルについて札を混ぜ始めているあたり、既に入れ込み始めているようである。なんか不安だ。

それを見たフィオナが、溜め息をつきながら同じく卓を囲んで座った。

ギリアムを放っておく訳にはいかないだろうな。」

そこでニヤリと笑う。

「前回の借りは返す。」

さらに、もうお一方乗り気な人が。

「ホイストなら私も入れてください。」

さっきまで暇そうに竪琴をつま弾いていたベレヌスである。

彼もギリアムさんの向かいにいそいそと座ると、

「私とギリアムさんの組でいいですか?」

とか言いながら勝手にチーム分けを始めたりしている。

ちなみに、ホーサシグルーンケルベロスも、頭上に「?」をいくつも浮かべたような微妙な表情で興味深そうにこちらを眺めていたりする。

「……こら、あんたたち。ちょっと待ちなさい。」

テーブルを叩いて他の三人に注意する。

「もしかして、ホイストってゲームは四人で遊ぶの?」

既にオレを勘定に入れて始める気になっている三人に聞いてみる。

「ええ、もちろん4人用ですよ。」

と、ギリアムさん。

「カードは4人で遊ぶものでは?」

ベレヌスくん。

そして

「何か問題があるのか?」

と疑問形のフィオナ嬢。

三人を眺めて思わず溜め息をつきつつ。

「これだけ人数がいるのに四人用ゲームをしてもしょうがないでしょうよ。みんなで遊べる簡単なゲームをオレが教えますから。」

そして、何となく輪に入りそびれた様子のお嬢さん方を招き寄せる。

興味津々の様子で近寄ってくるホーサ以下三名。

代表してホーサがこう曰った。

「女がカードに触れても良いのかしら。」

………。

「あー。どういう意味?」

お兄さん、君が何を言いたいのか良くわからんのだが。

ホーサは、なにやら思案顔で応えに詰まった。

「……その、普通は、女性がカード遊びをするなんて、その、はしたないと思われているので。」

ちらりと卓を囲んで座っているお嬢さんに視線を送ったりするホーサ

「そうなのか?」

「私に聞くな、私に。」

思わずフィオナに尋ねたら、不機嫌な声で返されてしまった。

「まぁまぁ。別にものやお金を賭けようってワケじゃなし。みんなで楽しく遊ぼうってだけだし。たまには良いんじゃない?」

笑顔で水を向けると、苦笑しながらホーサも頷いてくれた。