異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2006-10-14

「あっ!セタンタ出すんじゃないっ!」

「甘いな。2が一枚残っているのを忘れちゃいかんね。ほい、これで切り。」

「……まって、ジョーカー。」

「ほ!?ホーサッ!!」

ということで、3回目にして大富豪の座から転落したオレは、結局残り二回を大貧民として搾取されたのであった。

セタンタ。カード交換。」

「そ、そんなっ!これを持って行かれたら来年の種籾が買えないのですホーサ様!」

「泣き落とししようとしてもダメ。」

こう言うとき、ホーサは意外とピシリとしている。まぁ、泣き落としでホントに手加減されても面白くなくなるから困るけどね。

ちなみに、5回遊んで勝ち数は

であった。カードゲームにかなりの自信を覗かせていたフィオナギリアムの年長組2人は互いに牽制しあって低迷。ベレヌスは堅実に2位か3位を維持。ケルベロスは辛うじてフィオナギリアムの上位をとってドベだけは免れていた。

「うううううう。勝てない。」

「最初のうちは遊び方覚えるだけでいいって。コツを掴めばそのうち強くなるから。」

「ほんと、兄ちゃん?」

「ああ。でも、ほかの人もだんだん強くなるから頑張ろうな。」

ふくれっ面のワンコの頭をポンポンと撫でてやる。うんうん、向上心があるのはいいことだ。

「私は大体コツが分かってきましたわ。」

と、なにやら得意げな様子のお嬢が横から口を突っ込んでくる。

「最後には一勝したし。ホーサもそうだけど、飲み込み早いよな。大したもんだ。」

ケルベロスよりも一段低い位置にある頭を、ワンコと同じ要領で撫でようとすると、

「もうっ!子供扱いしないでくださる?あ、兄上……。」

と、頬をふくらませて怒られてしまった。

「そうはいっても、シグルーン子供だし。ほれっ」

「うきゃっ」

お嬢の脇を両手で抱えてさっと持ち上げる。身長は4フィートインチ(136cm)と子供にしては大きいが、やはり女の子だけに体格はいくらか華奢で、簡単に肩に担ぎ上げられる。

「ちょっと!なにをなさるんですっ!」

オレの肩の上でおっかなびっくり抗議するシグルーン

「頑張って勝ちを収めたお嬢様に、肩車のサービス。子供じゃないとこんな事出来ないだろ。」

「きゃーっ!お、落とさないで下さいよっ!?」

ちょっと部屋の中を歩いてみせると、髪やら耳やらがっちりとしがみつかれてしまった。

そこへ、なにやら視線が。口をとんがらせたケルベロスがこっちを恨めしげに見つめていた。

「どした、ワンコ。」

「うー。オイラもっ!」

「ちょ!よじ登るなっ!無理!」


カードで一勝負したあと、食堂で夕食。今日のメニューは、山盛りマッシュポテトとマスの香草焼き、豆のポタージュ。素朴だが十分な食事を堪能したあと、風呂に入って寝ようかと思っていたところ。

セタンタくん、このあとヒマかい?」

と、ニヤリと笑うギリアムさん。横ではフィオナベレヌスが、片や手ぐすね引いて、片や苦笑いを浮かべて待っていた。

3人に遊戯室へと連行されて、ホイストとやらに無理矢理参加させられた。

……結論から言うと、かなりこてんぱんにやられた。

「なに、やりながらコツを覚えて強くなればいいだろう。」

と、ほくそ笑むフィオナに『覚えてろよこんにゃろうっ!』と腹の底から思ったが、何とか口に出さずに済んだ。