異世界日記 『第四部 見習い日記学舎編』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ■本家サイト作者ブログはつせの世界メール

2006-10-15

翌朝、日の出前に眠い目をこすりつつ目を覚まし、顔の上のワンコ足をどかして起床。

……既にこやつと寝床を共有していることになんの違和感もないことに愕然としつつ、手足の具合を試してみる。

左脚の方は、片足飛びをしてもちょっと違和感がある程度で、骨の方はどうやら繋がったようだ。左腕の方は、いくらか肘関節に痛みが残るが、拳に強く力を込めてもとりあえず支障はない。

どうやら、全治半年の重症が治ったようである。

うーむ。なんてデタラメな治癒速度だろうか。

この調子だと、死ななきゃどんな傷でも1週間でケロリと治りそうだ。もっとも、痛みはきちんとあるので、治るからと言って怪我をしたいワケじゃないけれど。

結局、そのまま鍛錬にも加わって一日問題なく動けたし、翌日には痛みや違和感も無くなってしまった。

念のため、リャナン・シーさんにも見て貰ったが

「もう完全に治っておりますわ。……やはり、渡り神の方々には常識が通用いたしませんわね。」

と溜め息をつかれてしまった。

「こやつには渡り神の常識も通じぬわ。これほど頑健で回復の早い者など、他にはあまりおらぬぞ。」

と、姐御からもお言葉を頂戴した。決して褒められてるわけではなさそうである。


そんなわけで、鍛錬と座学に二日ほど費やしたあと。

夕飯の席でスカアハがこう曰った。

「明日は安息日ゆえ、そなたらは好きに過ごしてよろしい。館の外に出かけてもかまわぬが、夕食までには戻って参れ。」

ちょうど、今日の午後習ったところによると、この世界の暦は大体こんな感じらしい。

  • 一週間は7日
    • 曜日は日曜、月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、土曜の7日だが、各曜日の呼び方は地方によって違うらしい。影の島ではもともと曜日はなかったが、アサ神族の習慣が広まって曜日を使うようになったそうな。
  • 4週で一月。つまり一月は28日。
    • 月の満ち欠けも約28日周期
  • 13ヶ月+1日で一年。つまり一年は28×13+1で365日
    • 余りの一日は新年初日の祝聖日。13月28日と1月1日の間にある特別な日で、ちょうど冬至に当たるそうだ。
    • 月の名前は、やはり地方によって異なるそうな。影の島では、単純に1月~13月という場合と、「シラカバの月」「ナナカマドの月」などと樹木になぞらえる古来からの呼び名があるそうな。
  • 4~6年に一度、閏日を入れる。入れる日付は7月29日か9月29日。

総じて言うと、月の運行をメインに据えて計算した暦、つまりはいわゆる太陰暦に近い暦を取っているようだ。

そして、その暦によると明日はちょうど7月1日で日曜日だと言う。

日曜日を安息日として、仕事を休みにする習慣はスカアハが持ち込んだものらしい。元々そんな習慣はなくて、皆夏中休まず働いて、冬はダラダラと遊んで過ごしていたそうだ。これは、気候の関係で冬は農作業などが出来ないせいだったらしいのだが、革細工や織物の様な手工業など、冬でも出来る仕事をどんどん奨励して、その分安息日を取らせるように変えたのだそうだ。五ヶ月以上ある冬の間、ずっと遊んでいられては非効率的、と言うのがその改革の理由らしい。

もっとも、その習慣も100年近くかけてやっと定着しつつある状況だそうだが。

ともあれ、この館ではスカアハが法である。であるからには日曜は休日である。

もちろん、週休二日の世界からやって来たオレとしても何ら否やはない。